スラブケースには入らない鑑定済みコイン

スラブケースには入らない鑑定済みコイン

アメリカの第三者鑑定機関NGCにコインを鑑定してもらうと、ラベル付きのスラブケースにコインがパッキングされます。

 

鑑定ラベルはスラブケース内コイン上部に貼り付けられています。

 

このラベルは「コインが正式に鑑定されました!」という鑑定証明となります。

 

また、スラブケースはコインを頑丈に守り、品質状態を保持してくれるという大きな役割を果たしています。

 

スラブケースの例:アレキサンダー大王 スタテル金貨

 

 

一方で、スラブケースに入れられず、袋にパッキングされているコインが時々存在します。

 

私はコイン収集を始めた頃、コインが鑑定されると必ずスラブケースに入れられるものだと思っていました。

 

スラブケースに入れられていないコインの例

 

なぜ、このような形でコインが保存されているのでしょうか?

 

NGCはEncapsulation(コインのカプセル化)について以下のように書いております。

 

Encapsulation — All coins graded by NGC Ancients will be encapsulated, except those deemed ineligible because of their physical characteristics (unstable surfaces, inappropriate dimensions, etc.); those coins will receive Photo Certificates, which also are available as a supplementary service. Every effort will be made to use our EdgeView® holder for ancient coins, but when that is deemed impractical due to the physical characteristics of a coin (a typical example is a heavy Ptolemaic bronze with beveled edge), at the sole discretion of NGC Ancients, a standard core will be used, or a Photo Certificate will be issued.

https://www.ngccoin.com/specialty-services/ancient-coins/

 

 

コインの物理的特性がスラブケースに合わない場合は代替サービスが提供されるそうです。

 

表面の状態が不安定であったり、スラブケースに対してサイズが過度に大きすぎるなどといった不適格なコインに対してNGC社は独自の判断で代替鑑定証明を発行します。

 

先ほどの写真のような鑑定はPhoto Certificateと呼ばれ、プラスチックの紙のようなものが付属されます。

 

Photo Certificate 例 

コインには紀元前から存在し続けるものもあり、一つ一つのそれぞれ質が異なります。

 

これらの様々なコインを良い状態で保存するためには柔軟に対応する必要があります。

 

まさに、第三者鑑定機関NGCの対応はprotection for the age(時を守る)ですね。

 

CoinBlessing 山本

 

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