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Coin Blessingの山本です。
今朝のニュースで、政府が発表したデータを見て驚きました。
生鮮食品を除く東京コアCPI(インフレ率)が前年同月比3.6%上昇していたのです。
最近は意識が薄れていましたが、以前政府と日本銀行が掲げていた「物価安定目標(インフレ率2%)」を大きく上回る水準になっています。
大学で聞いた話ではありますが、2%という目標に明確な根拠があるわけではなく、「緩やかな物価上昇が経済にとってちょうど良い」といった考えに基づいているそうです。(うろ覚えですみません。)

参考:https://www.boj.or.jp/mopo/outline/target.htm
日本はすでにデフレから脱却し、いまは「インフレにどう対応するか」が大きなテーマになってきています。
このインフレーションという現象は経済にとって悪いことばかりではありません。むしろ適度なインフレは経済に良いという見方もあります。
例えば、将来的にお金の価値が下がることを見越して、「今のうちに使おう、投資しよう」という動きが活発になります。その結果、経済が回りやすくなるのです。
また、企業の売上や利益が増え、名目賃金が上がることで消費も活性化するなど、ポジティブな連鎖も生まれます。
しかし、急激すぎるインフレは生活コストを押し上げ、家計や企業経営に打撃を与えるため、注意が必要になります。
現物資産を持つ意義というのは、このインフレに対して非常に有効的であるということです。
そして、このインフレというのはどの時代でも世界的にみて、経済活動をしていれば必ずついてくるものです。
この「インフレ」という課題に対して、世界各国ではさまざまな対策が講じられてきました。一方、日本では1990年代から2020年頃まで、長期にわたってデフレーション(物価の継続的な下落)に苦しんできた歴史があります。
振り返ってみると、これは日本と世界における資産保全の考え方の違いも生み出していたのではないかと感じています。

参考:https://ecodb.net/exec/trans_country.php?type=WEO&d=PCPIPCH&c1=JP&s=&e=
インフレが進行する国々では、インフレに強い資産、たとえば金や不動産、アンティークコインといった実物資産に注目が集まりやすくなります。一方で、長年デフレが続いた日本では、むしろ「現金を持っていること」が価値ある行動とされ、実物資産への関心は限定的でした。
このような背景が、日本においてアンティークコインの認知や人気が長らく広まらなかった要因のひとつではないか、と最近考えるようになりました。
そして時代は変わり、コロナ以降の異次元の金融緩和とそれに伴うインフレの兆しが強く意識され始めた頃から、アンティークコインの注目度が急激に高まったように実際感じます。

少しムラがはあるが2020年近辺から「アンティークコイン」というワードが平均的に使用されるようになっている?
参考:Googleトレンドより
とはいえ、発行数が限られており、物価とは無関係に価値が高まるという法則や、コレクションとしての意義もあったため、一定の需要は当時からずっとあったとは思います。また、この「アンティークコイン」という言葉の定着や、歴史的に見ても鎖国であったという文化など、色々な要因は考えられます。
ですが、長期的なデフレと、世界的なインフレという経済の対照的な動きが、資産に対する考え方の違いを生み出し、アンティークコインが日本で本格的に注目されるまでに時間がかかった──そんな仮説も一理あるように思えるのです。
もし仮に、今のアンティークコイン人気の背景に「インフレヘッジとしての関心」があるのだとすれば、それはまさに「実物資産としての役割を果たしている証拠」と言えるのではないでしょうか。
今後もインフレ傾向は続く可能性が高いとされており、私たち一人ひとりが資産の置き場所を見直す時期に来ています。
現金だけでなく、一部をインフレに強い資産へ分散しておくことも、大切なリスク対策だと考えます。
その意味で、アンティークコインは資産の分散先として、面白く、かつ本質的な価値を持った選択肢になり得ると思います。
そして改めて感じるのは、インフレやデフレという現象は、人々の考え方や行動をも大きく変える力を持っているということ。油断していると、その変化に対応できず、大切な資産を目減りさせてしまうかもしれません。
今後も、こうした経済の動きをしっかりと注視していきたいですね。
今回は少し経済的な視点から、アンティークコインについて考えてみました。
まだまだ掘り下げる余地のあるテーマですが、そんなことを思いながら書いたブログでした。
長文にお付き合いくださり、ありがとうございました。