本記事は、アメリカの第三者鑑定機関NGC(Numismatic Guaranty Company)より正式な許可を得て、偽造コインに関して解説を行なっております。
コレクターの皆様が、安全に本物のコインを見極めるための参考資料としてご覧ください。
今回は「1897年 ロシア 15ルーブル金貨 皇帝ニコライ2世」に関する偽造コインのチェックポイントとなります。

ロシア 1897AT 15ルーブル 偽造品
1897年 ロシア15ルーブル金貨について
1897年に発行されたロシアの15ルーブル金貨は、皇帝ニコライ2世の専制統治時に発行されたコインです。
約1,200万枚という発行枚数にもかかわらず、高い収集価値を持っております。
この希少性と人気の高さから、多くの偽造品が出回っており、価値の高いコインほど、収益を狙った偽造の対象になりやすい傾向があります。
◇基本情報
| コイン名称 | 15ルーブル金貨 |
|---|---|
| 国 | ロシア |
| 統治者 | ニコライ2世 |
| 発行年 | 1897 |
| 額面 | 15ルーブル |
| 発行枚数 | 11, 900,033 |
| 品位 | 0.900 |
| 直径 | 24.6mm |
| 重さ | 12.9g |
このシリーズに多い偽造品のタイプ
- Transfer-die counterfeit
Transfer-die(トランスファーダイ)とは、本物のコインのデザインをそのまま型に転写し、その型を使って新しく偽造コインを打刻する手法となります。
本コインにおいては、この「トランスファーダイ(転写ダイ)」と呼ばれる高度な手法で作られた偽造品が多く確認されています。
主な見分け方のポイント
見分けるときのポイントとしては、以下のような部分があります。
- 同じ位置に繰り返し現れる小さなくぼみ
- 不自然な工具痕の斑点や、縁の歯形模様部分からの加工痕
- 細部の彫りが浅く、全体的に粗雑な印象

偽造技術は年々精巧になってきていますが、微細な特徴をよく観察することで見分けられる場合も多くあります。
特に初心者の方が購入される際は、まず 信頼できる鑑定済みコイン(NGCやPCGSのスラブ入り)を選ぶことが重要 だと思います。
■ 出典・クレジット
© Numismatic Guaranty Company.
All information and images in this article are used with permission from NGC Coins (https://www.ngccoin.com).