アンティークコインを集めていると、よく出てくる「R-6」や「R-1」といった表記。
これは、シェルドン・レアリティ・スケールという、コインの希少性を9段階で表す評価法に基づいたものです。
このスケールは、アメリカの大型セント収集家ウィリアム・H・シェルドンが考案したもので、コインの現存数に応じてR-1からR-9までに分類されます。
| ランク | 意味 |
|---|---|
| R-9 | 唯一(1枚) |
| R-8 | 2~3枚 |
| R-7 | 4~12枚 |
| R-6 | 13~30枚 |
| R-5 | 31~75枚 |
| R-4 | 76~200枚 |
| R-3 | 201~500枚 |
| R-2 | 501~1,250枚 |
| R-1 | 1,250枚以上 |
また、「R-6+」のように「+」マークが付いている場合は、同じR-6の中でもとくに現存数が少ないほうだという意味になります。ランクの幅が広いときに、より細かく希少性を伝えるための工夫です。
実際に使って感じたメリットと限界
このスケールの魅力は、なんといっても直感的に希少性がわかる点です。「このコインはR-5だから、意外と残ってるな」「R-7なら、見つけたら即購入かも」というように、判断のひとつの指標になります。
一方で、注意すべき点もあります。たとえば、1909-S V.D.B.セントのように、シリーズ内で非常に重要なコインであっても、現存数が多いためR-1に分類されてしまいます。
そのため、市場価値やコレクションとしての重要性とは必ずしも一致しない場合があるということを覚えておく必要があります。
レアリティは「数」だけでは測れない
希少性=価値、とは限らないのがコイン収集の面白いところです。同じR-1でも、人気シリーズの重要な年代と、そうでない一般的なコインでは、価格にも注目度にも大きな差があります。
シェルドン・レアリティ・スケールはあくまで「現存数」を基準とした希少性の“目安”。そこに「歴史的背景」や「人気」「保存状態」などの要素が加わることで、コインの本当の魅力や価値が浮かび上がってくるのです。