ムートンドール:鷲のマーク

ムートンドール:鷲のマーク

今回は下画像のムートンドール金貨についてです!

 

目次:

  1. ああ、この世の全ての罪を取り除く神の子羊よ、
  2. よく見たら少し違う?
  3. 希少性の高さ

 


 

ああ、この世の全ての罪を取り除く神の子羊よ、

 

本コイン はルイ2世の時世に発行されたコインとなります。

 

ルイ2世はフランドル伯でした。

上記コインのラベルに記載されているLouis II de Mâleというのは、生誕地のMâleから取って、そう呼ばれたそうです。

フランドル地方は古くから羊毛の産地として知られています。

私は最初、羊毛の産地だから羊を書いているのかと思っていたのですが、どうやら違ったようです笑

 

 

それではなんなのか??

表面の羊は、イエスキリストを指す「神の子羊」を表しております。

ちなみに、羊ではなく、子羊なので、フランス語で子羊を表す「agnel」より、アニエルドールとも呼ばれます。



表面の文字の部分には、

+ AGn': DЄI: QVI: TOLL': P'ЄCCA': MV'DI: MISЄRЄRЄ: NOB'

と書かれておりますが、

この世の全ての罪を取り除く神の子羊よ、どうか私たちに慈悲をおかけください

という意味だそうです。



神の子羊とは、すなわちイエス・キリストを指しています。



イエスは、世の罪を取り除く「神の代理人、しもべ」として、神である父の意思に完全に従った証拠に、カルバリー(ゴルゴダの丘)で十字架に磔にされることを選びました。

キリスト教の神学では、神の小羊はキリスト教のメッセージの基礎であり不可欠なものと見なされています。


本コインは当時の宗教観が色濃く反映されているデザインです。

非常に歴史を感じることができます。

 


 

よく見たら少し違う?

 

ムートンドールには似たようなコインがあります。

本コインと同時期にブラバント公国やフランス王室から類似したコインが発行されております。

ちなみに、オランダではゴールデンラム(gouden lam)、フランスではムートンドール(mouton d'or)と呼ばれるそうです。

本コインと他のコインを見分けるときは、裏面のデザインを見てください。



他のコインには十字架の角にユリがデザインされておりますが、本コインは十字架の角にワシがデザインされております。

 





見分ける際のポイントとして是非覚えておいてください!

 


 

希少性の高さ

 

皆様がムートンドールを探している時によく見かけるのは裏面が百合のデザインでしょう。


このワシのマークが描かれているのは、

市場でも滅多に見かけない希少価値の高いコインとなっております。

小さなデザインの違いで大きな価値の違いが生まれるのがコインの面白い点でもあります。



機械による発行が確立していない時代なので、金貨を職人が一つ一つハンマーで叩いて製造しております。

職人の情熱が内包されており、非常にロマンを感じます。





CoinBlessing 山本

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