1364-1380 フランス 賢明王シャルル5世 フランカ・ピエ金貨 MS63 百年戦争
1364-1380 フランス 賢明王シャルル5世 フランカ・ピエ金貨 MS63 百年戦争
フランカ・ピエ金貨 シャルル5世 MS63 NGC のご紹介です。
【表面】
ゴシック様式の天蓋の下のシャルル5世
【裏面】
花模様の十字架
十字架の角に百合と王冠
【franc à pied フランカ・ピエ】
フランは元々フランスの硬貨です。
現在は、スイス、フランスやアフリカの一部の国など多くの国の通貨単位となっています。
1360年にフランス王ジョン2世が鋳造した金貨にこの名前が付けられたのが最初です。
このコインには馬に乗った王の姿が描かれていたため、後にシャルル5世が発行した同価値のコインと区別するために「franc à cheval」(フランカ・シュヴァル)と呼ばれるようになりました。
一方で、シャルル5世のコインは天蓋の下に立つ君主を描いたもので、「franc à pied」(フランカ・ピエ)と呼ばれていました。
「à pied」はフランス語で「歩いて」を意味し、「à cheval」はフランス語で「馬に乗って」を意味します。
発音上、francの「c」と後ろの「à」がくっつき、「フラン・カ・ピエ」と日本語では表記するのだと思われます。
【賢明王・税金の父】
シャルル5世はフランス・ヴァロワ朝第3代の王
彼は極めて教養の深い人物であり、七自由科( 教養書科、リベラルアーツ、文法・修辞・弁証法と算術・幾何・音楽・天文学の7つ)を修めています。
また、精神的にも明敏な感覚を持ち、優れた政治センスも持ち合わせていました。
シャルル5世の伝記作家であるクリスティーヌ・ド・ピザンは彼のことを"sage et viessex"(賢明で狡猾)と書いております。
それ故、彼は「Le Sage」賢明王と呼ばれるのです。
彼の治世下は「百年戦争(1337年〜1453年、イングランドとフランスとの間で断続的に行われた戦争)」の時代です。
シャルルはフランス王ジョンの長子です。
彼はイングランドへの軍事作戦の資金調達やジョン王は捕虜に取られていたため、シャルルは捕虜解放の身代金支払いをするために、消費税や塩税(ガベル税)、炉税など課しました。
これらの税金は、戦費調達や身代金の支払いが完了し終わっても続いていきました。
彼が「税金の父」と呼ばれる所以でしょう。
また、シャルル5世は、彼の治世下においてほぼ全てのイングランド軍を追放し勝利しています。
軍事的成功の背景には、軍隊と防衛に関する規制を改善したことが大きいです。要塞の点検修理、弓術の奨励、より信頼のできる規律、戦闘員への給与、さらには海軍の設立まで命じています。
また、貨幣政策においては、貨幣価値を安定させて貴金属含有率の高い通貨を発行し続けました。このことが臨時的な課税の恒常化に役立ったとされます。
彼は目的を達成するために、明確で適切な政策を有し、そしてそれを実行するだけの土台(税や規律)を作っています。
彼が「賢明王」と呼ばれる所以がここにあると思われます。
歴史から見ても、栄えている国というのは、優れた税体系や政策を持っていました。
そしてさらに、これを実行できるトップの存在が欠かせないと思われます。
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歴史から学ぶべきことはまだまだ多いと思いますが、コインはそのきっかけを与えてくれるものだと思っております。
この機会に是非ご検討してみてはいかがでしょうか?
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※大変お手数ですがご購入前に一度お問合せ頂ければと思います。何卒宜しくお願い致します。